6日から、ザ・コンランショップ全店で「CASE STUDY」が開催されています。入れる、包む、覆う… さまざまな解釈で世界中の「ケース」が集った販売イベントですが、もちろんそこはコンラン、独自の視点が加えられています。
販売するのは3ジャンル。ロン・アラッドやマイケル・ヤングによる限定プロダクト、今回の企画のためのオリジナルプロダクト、そして従来の製品からテーマに沿って選ばれた商品です。
ケースという単語には「事例」という意味がある。単にケースを集めているのではなく、ケースの意味を改めて考える事例研究(ケーススタディ)とのダブルミーニングになっています。
その「事例研究」に挑んだのが世界のデザイナーたち。端的に表現されていますが、アート作品にも近いエディションアイテムといえます…。
マイケル・ヤングは、以前も発表したバードハウスを日本の新聞を折って新たに製作した。バードハウス 「Emergency birdhouse」は、クラフト的な面白さを持ち、シェルター的な安心感を感じる。
(画像左)「CASE STUDY」logo
(画像右)BIRD HOUSE BY MICHAEL DESIGN (CASE STUDY/EDITION) ¥50,000
【会場】21_21 DESIGN SIGHT(ミッドタウン・ガーデン)
【開催日時】2011年9月16日(金)〜2012年4月8日(日)
透明感のある陰影、そして「フェルメール・ブルー」という名もつけられている鮮やかな青。フェルメールの世界観を存分に堪能できる『真珠の耳飾りの少女』。
フェルメールの絵画の中でも特に人気のある、この絵画に描かれた少女のモデルに関しては、彼の恋人説や娘説など諸説あり、いまだ謎のまま…。
映画では、この謎の少女を、フェルメールの家にやってきた下働きの少女という設定とし、『真珠の耳飾りの少女』の絵画が出来上がるまでの過程が語られています。
この下働きの少女、グリート役には、なんと!スカーレット・ヨハンソンが扮し、フェルメールにインスピレーションを与える、感受性豊かな少女を演じています。あくまでフィクションの話ですが、『真珠の耳飾りの少女』が、この映画のような過程を経て生まれたのかと想像を膨らませます。またこの映画では、フェルメールの色彩や陰影、構図などを映像で再現しているのも特筆すべきところです。
「技法」といったときに、まず思い浮かべる代表的なものは「油彩画」と「水彩画」ではないでしょうか。しかし、これらが発明されたのは、15世紀初頭。それ以前は、「フレスコ画」、そして「テンペラ画」が主流でした。「油彩画」や「水彩画」などと比べ、かなり制約が求められる技法ではありますが、名作の中にもフレスコやテンペラで描かれた作品がたくさんあります。ボッティチェリの『春(プリマヴェーラ)』や『ヴィーナスの誕生』は「テンペラ画」です。
一般的に「テンペラ」は、卵黄や卵白、さらに油や水を混ぜたマヨネーズ状の乳化物を使って描きます。
テンペラの特徴としては、①経年による劣化が比較的少ない。②発色がよく、乾きが早いので塗り重ねが可能を挙げることができます。
しかし乾きが早く、のびが悪いので、色をぼかしたり、塗料を調節してメリハリをつけるといったことはできません。ボッティチェリの作品も、描く対象の境界線をなぞるように細い線を重ねて陰影を作りだす「ハッチング」という手法を使って、絵に明暗を生み出しています。レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』も「テンペラ画」です。
損傷が激しいことでも有名な『最後の晩餐』ですが、その理由は温度や湿気に弱い「テンペラ画」が壁画に不向きな技法だからです。本来、壁画や天井画には、「フレスコ画」という技法がとられることが一般的でした。しかし、ダ・ヴィンチは制約が多い「フレスコ画」を嫌がり、「テンペラ画」の技法がとられたと言われています。
では、「フレスコ画」はどのような技法なのか。有名な「フレスコ画」としては、ミケランジェロの『最後の審判』が挙げられます。何百年にわたり、この色鮮やかな迫力ある作品が現存できているのは、「フレスコ画」の、あるほかの技法とは違った描き方によります。「フレスコ画」は、まず壁に漆喰を塗り、その漆喰が生乾きの間に水、または石灰石で溶いた顔料で描いていきます。
つまり、「フレスコ画」は、①一度漆喰が乾いてしまうと、やり直しがきかない。②顔料が漆喰の中に残されて結晶化するので、耐久性がよく、美しい発色を保つことができるという特徴を挙げることができます。高度な計画と技術力を求められるものの、この特殊な技法によって、作品の美しさは何百年経っても保たれていくのです。
「テンペラ画」も「フレスコ画」も、油絵の登場とともにメインストリームから姿を消していきますが、20世紀の現代画家であるパウル・クレーやカンディンスキーが油彩とテンペラの混合技法を使ってみたりするなど、画家たちはそれぞれの作品に適した技法を用い表現の幅を広げていきます。
明治から現代にいたるまで、各時代で日本を代表する53名の画家たちによる、二十歳前後の作品を一堂に集めた展覧会。